この記事の3行まとめ
- 吊るし雲とは「山の近くにぽっかり浮かんで、まるで空中に吊るされたように見える、レンズ形の雲」のこと
- 正式名称は「レンズ雲(笠雲・吊るし雲)」。英語では「Lenticular Cloud(レンティキュラー・クラウド)」と呼ばれる
- 風が強い日に山の近くで発生しやすく、UFOと見間違える人が続出するほどの個性的な形が特徴
【吊るし雲って何?】一言で言うと?

吊るし雲を一言で表すなら、「山のそばの空にできる、レンズや円盤のような形をした雲」です。
ふつうの雲はモクモクと動きながら流れていきますよね。でも吊るし雲は、強い風が吹いていても同じ場所にとどまり続けます。まるで誰かが空に「吊るした」みたいに見えることが、その名前の由来です。
吊るし雲は動いているように見えないけれど、実は雲の中の水蒸気は常に入れ替わっています。「形はそのまま、中身は別もの」というちょっと不思議な雲です。
【吊るし雲って何?】名前の意味は?

「吊るし雲」という名前は、見た目そのままが由来です。山の斜面の少し離れたところに、空中にぽっかりと”吊るされたように”浮かんで見えることからこう呼ばれています。
英語では Lenticular Cloud(レンティキュラー・クラウド) といいます。
- Lenticular(レンティキュラー):ラテン語の「lentil(レンズ豆)」が語源。レンズ豆のような丸くて平たい形のこと
- Cloud:雲
つまり「レンズ豆みたいな形の雲」というのが英語での本来の意味です。気象学では「レンズ雲」や「笠雲」とも呼ばれることがあります。
【吊るし雲って何?】身近な例えで考えると?

UFOで例えると
吊るし雲は、まるで空飛ぶ円盤(UFO)のように見えることで有名です。丸くて平べったい形が宙に浮かんで動かないので、「UFOが着陸しようとしている!」とSNSで話題になることも珍しくありません。
コマで例えると
強い風が山を越えるとき、空気が波のように上下に揺れます。吊るし雲はその「波の山」の部分にできます。コマが回り続けても同じ場所に立っているように、雲の形は変わらなくても、中の空気はどんどん入れ替わっています。
【吊るし雲って何?】吊るし雲の特長

吊るし雲ができる仕組み
吊るし雲が生まれるには、ちょうどいい条件がそろう必要があります。
- 山に向かって強い風が吹いている
- 空気の中に十分な水蒸気が含まれている
- 山を越えた風が波のように上下に揺れる(山岳波)
風が山を越えると、空気は波のように上がったり下がったりします。上がったところで気温が下がり、水蒸気が冷えて雲になります。
下がったところでは気温が上がり、雲が消えます。これが繰り返されることで、「同じ場所に浮かんでいるように見える雲」が生まれます。
吊るし雲の見た目の特徴
- 形が丸くて平たい(レンズ・円盤・帽子のような形)
- 風が強くても動かずに同じ場所にとどまる
- 山の頂上や斜面の少し上に浮かんでいることが多い
- 複数が積み重なって「重ね笠」のように見えることもある
- エッジ(縁)がくっきりしていて、輪郭がはっきりしている
吊るし雲が出やすい場所・時期
吊るし雲は、富士山・御嶽山・阿蘇山など、独立した山や高い山の近くでよく見られます。
特に秋から冬にかけて、季節風が強くなる時期に発生しやすいとされています。
富士山の「笠雲」も吊るし雲の仲間です。「富士山に笠雲がかかると翌日は雨」という昔からの言い伝えは、吊るし雲ができるほど上空に湿った空気が入ってきているサインだから、というわけです。
吊るし雲は天気のサイン?
吊るし雲や笠雲が出ているときは、上空の風が強く、湿った空気が流れ込んでいることが多いです。
そのため「翌日は天気が崩れやすい」と言われることがあります。ただし必ずしも雨になるわけではなく、あくまでも目安のひとつです。
【吊るし雲って何?】よくある質問

【吊るし雲って何?】まとめ
吊るし雲とは「山の近くの空に、レンズや円盤のような形でぽっかりと浮かぶ雲」のことです。
強い風が山を越えるときにできる「山岳波」によって生まれ、中の空気は入れ替わり続けているのに形はほとんど動かないという、なんとも不思議な雲です。UFOに間違えられるほどの個性的な見た目と、天気の変化を知らせてくれるサインとしての側面を合わせ持つ、空の中でも特に目を引く存在です。
富士山や高い山の近くを訪れるときは、ぜひ空を見上げてみてください。
