雨の日や雪の日、うっかり水たまりに入ってしまったり、お子さんが外で遊んで靴をびしょ濡れにしてきたり…。「明日もこの靴を履きたいのに!」と焦ってしまうこと、ありますよね。濡れた靴をそのままにしておくと、嫌な臭いが発生したり、靴の素材を傷めてしまう原因にもなります。

濡れてしまった部活で使うサッカースパイクや内ばきズックなど「明日までに乾かさないと!」というシーンは結構ありますよね… 。
そこで本記事では、濡れた靴をできるだけ早く、そして安全に乾かすためのさまざまな方法を、家にある身近なものから便利な家電まで、幅広くご紹介します。
特別な道具がなくても大丈夫。あなたの状況に合った最適な乾かし方を見つけて、大切な靴を快適な状態に戻しましょう。
家にあるもので濡れた靴を早く乾かす基本技


まずは、特別な道具がなくても試せる、基本的な乾燥方法をご紹介します。多くのご家庭にあるアイテムを活用して、濡れた靴を効率よく乾かしましょう。
ドライヤー乾燥時間と注意点
手っ早く乾かしたいときに思いつくのがドライヤーかもしれません。確かに短時間で乾かせる可能性がありますが、使い方には注意が必要です。
使い方
必ず冷風を使用してください。温風は靴の素材(特に革や接着剤)を傷めたり、変形させたりする原因になります。靴から15cm以上離して、まんべんなく風を当てましょう。内側だけでなく、外側にも風を当てると効果的です。
乾燥時間の目安
靴の素材や濡れ具合によりますが、片足あたり10分〜30分程度を目安に、様子を見ながら乾かしてください。長時間当て続けるのは避けましょう。
注意点
革靴やデリケートな素材の靴への使用は避けるのが無難です。熱に弱い素材は特に注意が必要です。また、ドライヤーを靴の中に直接入れて使うのは、熱がこもりやすく危険なのでやめましょう。
紙袋やビニール袋(穴を開ける)に靴とドライヤーの送風口を入れ、冷風を送ることで、効率よく湿気を飛ばす方法もあります。ただし、熱がこもりすぎないよう注意が必要です。
新聞紙・キッチンペーパー吸湿効果と詰め方
新聞紙は優れた吸湿性を持つため、昔から靴の乾燥によく使われてきました。
使い方
新聞紙をくしゃくしゃに丸めて、靴のつま先からかかとまで隙間なく詰めます。インソール(中敷き)が取り外せる場合は、取り出して別途乾かすとより効果的です。
ポイント
新聞紙はこまめに取り替えることが重要です。湿ったら新しいものと交換しましょう。これを繰り返すことで、効率よく水分を吸収できます。
新聞紙がない場合
キッチンペーパーや吸水性の高い紙タオルでも代用できます。新聞紙のインク移りが気になる白い靴などにもおすすめです。
カイロ活用じんわり乾燥
使い捨てカイロも、靴を乾かすのに役立ちます。
使い方
貼らないタイプのカイロを、タオルや布に包んでから靴の中に入れます。素材へのダメージを防ぐため、直接靴の素材に触れないように注意しましょう。
メリット
じんわりとした熱でゆっくりと水分を蒸発させます。電気を使わないので手軽です。
デメリット
ドライヤーほどの速乾性はありません。完全に乾かすには時間がかかる場合があります。
タオルでの応急吸水
靴が濡れてしまったら、まずタオルでできるだけ水分を拭き取ることが大切です。
使い方
乾いたタオルで靴の外側と内側の水分を優しく押さえるように拭き取ります。ゴシゴシ擦ると素材を傷める可能性があるので注意しましょう。マイクロファイバータオルなど、吸水性の高いタオルを使うとより効果的です。



このひと手間を加えるだけで、その後の乾燥時間を大幅に短縮できますよ!
100均乾燥・吸湿グッズ活用


100円ショップでも、靴の乾燥に役立つ便利なアイテムが見つかります。
シューズハンガー | 靴を逆さまにして干せるハンガーです。水切れが良くなり、風通しも確保できるため、乾燥効率がアップします。 |
靴用除湿剤・乾燥剤 | シリカゲルなどを使用した除湿剤を靴の中に入れておくだけで、湿気を吸収してくれます。繰り返し使えるタイプもあります。 |
珪藻土グッズ | 珪藻土を使ったシューズドライプレートなども、吸湿性が高く便利です。 |
これらのグッズを他の乾燥方法と組み合わせることで、より効果を高めることができますよ。
家電利用でさらに時短・効率化


家にある家電製品を活用すれば、濡れた靴をもっと早く、効率的に乾かすことができます。
靴乾燥機の効果的な使い方
靴を乾かすための専用家電である靴乾燥機は、効率的で確実な方法のひとつです。
温風や送風で短時間(多くは数十分〜数時間)で乾燥できるので、時間がないときに便利!モデルによっては、乾燥と同時に除菌や消臭ができる機能が付いており、臭い対策にも効果的です。
スニーカー、革靴、ブーツなど、様々な種類の靴に対応したモデルがあるので、用途に合わせて選べますよ。
靴のつま先をノズルに差し込み、タイマーを設定してスイッチを入れるだけです。機種によって適切な設定が異なるため、取扱説明書を確認しましょう。
乾燥時間、対応する靴の種類、除菌・消臭機能の有無、静音性、サイズなどを比較検討するとよいですね。
布団乾燥機・浴室乾燥機の応用
靴乾燥機がなくても、布団乾燥機や浴室乾燥機で代用できる場合があります。
布団乾燥機
靴乾燥用のアタッチメントが付属している機種があります。ない場合でも、乾燥マットや袋の中に靴を入れて温風を送ることで乾燥できます。ただし、熱くなりすぎないよう温度設定に注意し、靴の素材を確認してから行いましょう。
浴室乾燥機
浴室乾燥機の「衣類乾燥モード」などを利用して、浴室内に靴を干す方法です。ハンガーに吊るしたり、ワイヤーネットなどに乗せたりして、温風が当たるように工夫しましょう。換気機能も併用すると効果的です。
サーキュレーター・扇風機での送風乾燥
サーキュレーターや扇風機を使って風を当てるだけでも、乾燥を早めることができます。
靴の履き口に風が直接当たるように、サーキュレーターや扇風機を設置します。壁に立てかけたり、シューズハンガーで吊るしたりして、靴の中に風が通り抜けるようにするとより効果的です。
常温の風なので、熱によるダメージの心配がありません。他の乾燥方法(新聞紙を詰めるなど)と組み合わせると、さらに効率が上がりますよ。
素材別濡れた靴の正しいお手入れ


靴の素材によって、適切な乾かし方は異なります。大切な靴を傷めないために、素材に合ったお手入れを心がけましょう。
革靴型崩れ・シミを防ぐ乾燥法
革靴は水分や熱にデリケートなため、特に注意が必要です。
基本的な手順
- 水分を拭き取る: 乾いた布で優しく水分を拭き取ります。
- 詰め物をする: 新聞紙やシューキーパーを詰めて、型崩れを防ぎながら湿気を吸収させます。新聞紙はこまめに交換しましょう。
- 陰干しする: 直射日光や暖房器具の熱を避け、風通しの良い日陰で完全に乾くまで時間をかけて乾かします。ドライヤーの温風は絶対に避けましょう。
- 保湿ケア: 完全に乾いたら、デリケートクリームや靴クリームを塗って油分を補給し、革のひび割れや劣化を防ぎます。
急激な乾燥は革を硬くしたり、ひび割れさせたりする原因になります。時間をかけてゆっくり乾かすことが重要です。シミができてしまった場合は、専用のクリーナーで対処しましょう。
スニーカー・布靴洗濯後の乾燥
スニーカーや布製の靴は、比較的お手入れしやすいですが、乾かし方によっては型崩れや黄ばみの原因になります。
洗濯後の脱水
洗濯機で洗った場合、脱水機能を使うと乾燥時間を短縮できます。ただし、型崩れが心配な場合は、タオルで包んでからネットに入れて短時間(1分程度)だけ脱水するか、タオルドライでしっかり水分を取りましょう。洗濯機が使えない素材の場合は、手で優しく押して水分を切りましょう。
乾かし方
乾かす前に、手で形を整えたり、シューキーパーを入れたりして型崩れを防ぎます。
干すときは、シューズハンガーで吊るしたり、壁に立てかけたりして、風通しに注意しましょう。直射日光は色あせや黄ばみの原因になることがあるため、陰干しがおすすめです。



新聞紙を詰めたり、扇風機の風を当てたりするのも効果的!
濡れた靴の臭い対策発生予防と消臭


濡れた靴を放置すると、雑菌が繁殖し、嫌な臭いの原因になります。早く乾かすことは、臭い対策の基本です。
臭い発生を予防
- すぐに乾かす: 濡れたらできるだけ早く乾燥に取り掛かりましょう。
- インソールを洗う・乾かす: 臭いの原因となりやすいインソールは、取り外して別に洗い、しっかり乾かしましょう。
- 抗菌・消臭スプレー: 乾かす前や乾いた後に、靴用の抗菌・消臭スプレーを使うのも効果的です。
消臭方法
- 重曹: 重曹には消臭・吸湿効果があります。布袋に入れた重曹を靴の中に入れておくと、臭いを吸収してくれます。
- 10円玉: 10円玉に含まれる銅イオンには抗菌効果があると言われています。数枚入れておくと、臭いの軽減が期待できます。
- 市販の消臭剤: 靴用の消臭剤や乾燥剤を活用しましょう。


外出先・学校での応急処置


外出先や学校など、道具が限られている状況で靴が濡れてしまった場合の応急処置です。
ティッシュ・トイレットペーパー | できる限り靴の内外の水分を吸い取る |
---|---|
カイロ | 使い捨てカイロを靴下の上から足に貼るか、タオルなどに包んで靴の中に入れることで、多少の乾燥効果と保温が期待できる(低温やけどに注意) |
新聞紙 | 詰めておくと水分が取れる |
乾いた靴下 | 履き替えるだけでも不快感を軽減できる |
これらの方法はあくまで応急処置です。帰宅したら、改めてしっかりと靴を乾かすようにしましょう。
靴を傷めるNGな乾かし方


早く乾かしたい一心でやってしまいがちな、靴を傷めてしまう可能性のあるNGな乾かし方を知っておきましょう。
- 直火・ストーブの近く
- ドライヤーの温風を長時間当てる
- 電子レンジ
- 天日干し(素材による)
- 濡れたまま放置
大切な靴を長持ちさせるためにも、これらの方法は避けてください。
まとめ
濡れた靴を早く乾かす方法は、ドライヤーや新聞紙といった身近なものから、靴乾燥機のような専用家電までさまざまです。
雨の日や不意のアクシデントで靴が濡れてしまっても、焦らず適切な方法で対処すれば大丈夫です。この記事を参考に、あなたの状況や靴の素材に合ったベストな方法を見つけて、大切な靴を快適に保ってくださいね。